さて、私はここ数日、"無"とは何かを考えていた。

まず、物理学における無と、哲学における無では考え方が違う。
物理学における無とは"空虚な空間"
であり、量子力学からすると、
微細な分子やエネルギーに満たされているので"無"とは言えないそうだ。
しかし、時間と空間の両方が欠如している状態であれば無の状態になり得る可能性がある。
アインシュタインの一般相対性理論が登場して以来、時間と空間はエネルギーによって歪められうる力動的なものであると理解されている。
したがって、
時間と空間自体が存在しなければ、それは"無である"と言える可能性があるという事だ。
面白い!が、
私は哲学的な考え方に興味があるので、哲学思想にフォーカスを当てて考えてみた。
自身の作品、【Birth】は"無"から"有"が誕生するという作品だ。
(これはあくまでも私の視点であり、見る人によって感じ方が変わっても良い、という意図もある)

しかし、哲学的思想においても本来は無は存在しないという。
なぜならば、
「とある事象を説明したい時、その事象以外の何かを用いらなければならない、」
という論理的命題があるからだ。
無では文字通り存在しないので、説明のしようがない。
では、やはり無など存在しないのだろうか?
私は概念的な"無"はあると考える。
アメリカの哲学者ジム・ホルト氏も
「無とは私たちの周りに存在するものを考えるための思考的土台であり、
そこからまったく新しい発見が現れ出てくる。」
と言っている。
何もないところから作品が生まれるように、
「無とは新しいものが生まれ出てくる為の概念的存在だ」
という考えに、最終的には落ち着いたのである。
スッキリした。
さて、その【Birth】は日本橋で開催するインスタレーションで展示する予定。
できる事ならば他の方の考えも聞きたいし、対話ができれば最高だ。
※ポッカレモンは関係ありません。
コラボエキシビジョン「銀紙工場」
【主催】株式会社ベモーレ
【アートディレクション】JUMPEI TAINAKA
【会場】Double Tall – Art and Espresso Bar
【住所】〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4-7-5 JR新日本橋駅 (8番出口より徒歩1分)
【会期】2021/06/09 -2021/06/20
【時間】ウェブサイト参照
ギャラリーWebサイト↓
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